洞察 → 未検証の研究候補
まず3つの入口。取得価格の案は隣接枠。 順位は収益予想でなく、今回の条件と原研究の近さ。R1とR3は建玉分解という方法を共有するが、群集の情報に従うか、ニュース消化の遅れを狙うかが異なる。独立に検証し、最初から混ぜない。
R1 / 最優先で読む
小口の注文を「建玉の何を変えたか」で分ける 同じ買い越しでも、新しくlongを選んだ口座群と、shortを閉じた口座群は同じ情報か?
仮説の模式図。実測したフロー・価格ではない。 1 多数の小口で方向が一致
2 新規建て・手仕舞い・受動約定を分離
3 分散情報の集約/後続フローの偏り
4 未反映部分の価格調整を追う
仮説:独立した小口の新規long(short)への傾きは、単なる買い(売り)総量より、その後の上(下)方向に情報を持つ。新規建てが特に優位という部分は論文の結論ではなく、perpで初めて比較したい拡張。新規建て=情報取引とは置かない。
測定改善の理由は強い。新規建て成分の予測優位・perp利益はUNKNOWN。
論文:Ingmar Nolte (2016(確認PDFは2014-11-07稿)) ・ Eric K. Kelley (2013(著者公開の2012稿を確認)) ・ Ekkehart Boehmer (2021) ・ Brad M. Barber (2024) ・ David Ardia (2024-03 arXiv v1・未査読)
検証記録:追加観測・売買への接続・反証 追加で見るもの 口座識別に結びつく約定側・建玉直前数量・建玉増減・注文提出/更新履歴。小口の定義は約定額でなく、過去時点の口座規模と活動。 価格予測・売買への接続 対象perpの方向エントリー候補。主仮説は新規建てフローを順方向に使う。執行可能な観測後時点からのリターンを測る。perpの主horizon・モデルは未選択(原FX研究の組合せ指標は20・30分OOSに結果)。 なぜ未反映分が残りうるか CEXの公開約定からは誰の建玉が増えたか分からない。群集が処理した情報や遅い後続フローが価格に未反映なら追加予測になる。ただし市場が即時吸収すればedgeはない。 区別する検証 匿名板/フロー・自他venueリターン・OI/fundingを残し、小口signed flowだけのモデル → 建玉/注文分解を足すモデルの時系列OOS差を比較。口座数等ウェイトと額ウェイトは別仕様。口座IDを予測特徴として使わない転移試験も行う。 この案を棄却する結果 建玉分解の増分が消える/全てCEX先行価格で説明される/新規longとshort coverの差がなくなる/観測遅延で先行性を失う。 他案との違い/重複 既存の損切り予測ではなく、既に観測した小口行動に含まれる情報を抽出する入口。 R2 / 次点
小口の新規参入が一銘柄へ偏る「注意による過熱」 価格上昇が新しい材料を反映しているのか、小口の一斉参加で一時的に押し上げられているのか?
仮説の模式図。実測したフロー・価格ではない。 1 小口の新規参加が偏る
2 一時的な片側需要に価格が反応
3 同じ強さの参加が持続しない
4 過熱方向への反転を狙う
仮説:同じ上昇率/出来高でも、小口の新規long参加に極端に依存する上昇は後の反落が強い。売り偏重に対する対称仮説は別扱い。現在のショートカバーと新しい強気需要を混同しない。
株式で方向予測の先行研究あり。cryptoへの符号・時間移植はUNKNOWN。
論文:Brad M. Barber (2022(確認PDFは2021-07稿)) ・ Brad M. Barber (2023オンライン公開) ・ Brad M. Barber (2009) ・ Daniel Dorn (2008) ・ Charles M. Jones (2024オンライン公開) ・ Shimon Kogan (2024)
検証記録:追加観測・売買への接続・反証 追加で見るもの 銘柄への初回建玉、新規long/shortの口座数、反復注文と別口座の区別、口座規模、レバレッジ。初回は「取得済み履歴内で初回」であり人生初投資ではない。 価格予測・売買への接続 買い過熱に対するshort候補。ただし「人数が増えた瞬間に売る」は未支持。株の反転研究の主な時間幅は日〜週で、perpのエントリー・保有時間は未決定。 なぜ未反映分が残りうるか 誰が新しく参加したかで、匿名出来高にはない需要の構成が見える。一時的需要なら後に調整しうるが、新しい情報や長期採用拡大なら継続する。 区別する検証 同じ過去リターン・総フロー・ニュース/注目度・板のもとで、新規小口参入偏重か既存参加者の反復かを比較。既知のattention/funding/crowdingモデルをbaselineへ入れる。 この案を棄却する結果 後続リターン差が注目度/普通のmomentumだけで消える/新規参加の強さが継続上昇を説明する/逆張りの費用・funding・踏み上げが利益を失わせる。 他案との違い/重複 群集の強制損切りではなく、一時的な新規需要の価格圧力。参入枯渇は仮定であり観測事実ではない。 R3 / 別機序の有力な調査先
ニュース後の「逆張り新規建て」と「合理的な利確」を分ける 好材料の後に小口が売っている。それは誤った新規shortか、材料前から持っていたlongの利確か?
仮説の模式図。実測したフロー・価格ではない。 1 事前固定のニュース方向
2 小口が逆方向へ新規建て
3 情報の価格反映が一時的に遅れる
4 ニュース方向の後続調整を狙う
仮説:好材料後の売りでも「新規short」が多いときに限り、過小反応による後の上昇を予測できるか。ニュースの方向は発表情報から過去だけで定義し、将来リターンで良いニュースを選ばない。
2025年FX論文の抄録には適合する材料あり。提案した分解とperpの成績はUNKNOWN。
論文:Theofilia Kaourma (2025) ・ Ron Kaniel (2012) ・ Charles M. Jones (2024オンライン公開) ・ Juhani T. Linnainmaa (2010)
検証記録:追加観測・売買への接続・反証 追加で見るもの ニュース前の建玉、ニュース後の新規/増加/減少/反転、注文の提出時刻と古さ。既存指値が機械的に約定しただけの例を分ける。 価格予測・売買への接続 条件付きだが独立したentry候補:ニュースの予測方向を、小口の逆方向新規建てが追加的に説明するときに用いる。主horizonは未選択。 なぜ未反映分が残りうるか 集計long/short残高では売りの理由が混ざる。建玉before/afterがあれば二つを区別できる。遅い情報消化が残るなら価格予測になる。 区別する検証 ニュースのみ+初期反応+他venue先行+匿名フローのモデルに、小口の新規逆方向建てを追加。同量の利確、古い指値、イベントなし時間を対照。原FX論文の全文コスト/OOSの確認が必要。 この案を棄却する結果 反応がニュースでなく単なる過去リターン逆張りで説明される/利確と新規shortの差がない/DEX観測前に他venueが情報を吸収/保有時間の費用を超えない。 他案との違い/重複 R1とデータ/分解方法は共有するが、情報を持つ群集に従う機序と、情報に逆らう群集の圧力を利用する機序は別。統合しない。 R4 / 隣接研究として保持
取得価格がニュースへの反応を歪める 同じ材料でも、保有者が利益側か損失側かで情報の織込み速度が変わるか?
仮説の模式図。実測したフロー・価格ではない。 1 参照価格に偏りがある
2 利益確定/損失回避が需要を歪める
3 材料への反応が遅れる
4 後続ドリフトを捉える
モデルでは含み益が多いから直後に下がるとは限らず、好材料への利確売りが過小反応を生むならその後は上昇する。実証の投信母集団を小口へそのまま流用しない。
取得価格の測定改善余地は明瞭。小口perpでの機序・利益はUNKNOWN。
論文:Mark Grinblatt (2002 NBER WP 8734(この稿を確認)) ・ Andrea Frazzini (2006) ・ Shimon Kogan (2024) ・ Juhani T. Linnainmaa (2010)
検証記録:追加観測・売買への接続・反証 追加で見るもの 現在も残る建玉のentryPx/数量/方向とニュース時点の含み損益分布。スナップショットではなくas-ofの履歴が必要。 価格予測・売買への接続 ニュース方向の後続ドリフト候補。原研究は中期株式。perpでの方向・entryは未固定。 なぜ未反映分が残りうるか 従来の出来高加重購入価格proxyを、生存建玉の価格分布へ近づけられる。ただし心理の基準点そのものは見えない。 区別する検証 過去リターン、出来高proxyのcapital-gains overhang、ニュースをbaselineとし、実建玉分布の増分を評価。long/shortと新規/既存を分ける。 この案を棄却する結果 proxyを超えない/cryptoで処分行動が再現しない/指値の機械的選別だけで説明/清算や外部ヘッジで機序が変わる。 他案との違い/重複 既存のlatent exit研究に近い。今回は新しい独立候補として優先しない。 今回は優先しないもの 「勝った後にサイズが増える」はFXの先行研究があるが、方向が欠けるため単独エントリー案として不採用。「過去に勝っているwalletを追う」は公開identity研究として重要だが、小口・新規口座でも成立することを証明しておらず、今回の答えに置き換えない。
何が追加で見えるのか
Hyperliquidの公式仕様で確認した差分 以下は仕様確認であり、全口座の履歴が既に揃ったという意味ではない。他のperp DEXにも自動的に一般化しない。
区別したいこと 追加観測 重要な限界 誰の売買か WsTrade.usersにbuyer / sellerwalletは人間・retail・総資産を保証しない。 新規建てか手仕舞いか startPosition + side + sz。表示用dir0を跨ぐ反転はcloseとopenの量を分ける。真の動機は未観測。 新しい判断か古い注文か orderUpdates、提出/状態時刻、oidcrossedはtakerを表すだけ。taker=成行とは限らない。小口の建玉・会計状態 entryPx、szi、含み損益・担保・ledgerunified / portfolio marginではspot側残高も必要。perpのaccountValueだけを総資産としない。
公式WebSocket ・ 公式Info endpoint ・ 公式Perpetuals
検証記録:retail proxy、履歴、時計と費用 小口は「その時点までの口座規模・活動」によるproxyとして定義する。小額の一約定だけでは大口の分割注文を除けない。小額口座でもbotや機関の別walletが含まれる。外部ヘッジ・別venue残高・法的属性は未知。閾値は候補選択後、outcomeを見る前に定義する。
初参加は取得履歴内で初めてという意味。口座の生存・将来PnLで母集団を選ばず、既知の関連口座・活動集中・過去に大きかった口座の混入を診断する。二つの約定側を二つの独立した純需要として加算しない。
userFillsは最大2,000件。userFillsByTimeは1回最大2,000件、参照可能なのは直近10,000件。historicalOrdersも直近2,000件。ページ送りだけでは全履歴にならず、継続収集かアーカイブのcoverage監査が必要。
時刻はevent → 公開block/stream → 受信 → feature完成 → 判断 → 注文 → 約定。公開block時刻をそのまま発注可能時刻にしない。過去の受信時刻がなくても条件付き研究は可能だが実執行の証明とは別。新規建て集計後に残る価格変化がなければ不採用。
時系列OOS、未知wallet、類似の口座規模/活動、重複イベントのpurgeを設計する。主モデル・主horizon・母集団閾値は未固定。手数料・往復spread・slippage・latency・funding・impact・capacityを分け、欠損をゼロとしない。以前の別研究のコスト数値は流用していない。
Q&A
ここで言えること/言えないこと 一番近い論文は? Nolte & Nolte。大口ではない小口FX群の、普通の匿名フローにはない情報で短期のOOS価格予測を改善しており、今回の問いへの距離が最も短い。ただし2016年刊行・古い業者標本の研究を、現在のperpの利益としては読まない。
「小口は負けるから逆を取る」で十分? 十分ではない。情報を持つ群集も、注意銘柄に偏る群集もいる。投資家の損失が取引費用なら、逆売買でも双方が費用負けしうる。順張り/逆張りは母集団・文脈・時間幅ごとに別仮説。
精度が上がると強く信じてよい? 測定の混同が減る理由は具体的にある。近い市場で追加価格予測の報告もある。しかし今回の小口perpでの増分は未検証。「重要な未観測変数を測れるようになる」と「その値が観測後の取引利益になる」は分ける。
既存研究があるなら、もう新規性がない? 元の経済機序は既知で、それが今回探したもの。新規建て/決済や群集の構成を公開情報で分ける具体モデルの増分は別の問い。今回は論文探索であり、GitHub・商用商品・全運用者を尽くした競合調査ではないので、未開拓や独占edgeとは言わない。